異文化が彩る宿 — 外国人スタッフとともに育む新しい旅館の形

異文化が彩る宿 — 外国人スタッフとともに育む新しい旅館の形

信州上諏訪温泉 浜の湯
支配人
大瀧 直さん

株式会社井口
社長室長
新井 文隆さん

特定技能外国人
ダライ サパナさん
御社の事業概要についてお聞きしたいと思います。御社はどのような事業を展開されていますか?
大瀧さん
会社としては複数の事業を運営しておりますが、その一つとして当旅館を運営しております。
外国人材の受け入れにあたって、課題感や懸念事項はありましたか?
大瀧さん
実は最初の頃に受け入れた外国人スタッフの方は、日本の労働文化とのギャップが大きく、働く姿勢や価値観が異なっていて、うまく適応できない部分が多かったです。ですが、違う国籍の方や国内での経験者を採用するようになり、定着するようになっていきました。

外国人スタッフの活躍ぶりはいかがですか?
大瀧さん
現在の外国人スタッフは、事前に留学等で日本語や日本の文化を学んでいる人が多く、日本のルールへの理解も深まり、業務にも順応しています。日本人スタッフと同じレベルで業務をこなす外国人スタッフもおります。
教育や定着についての取り組み状況はいかがですか?
大瀧さん
以前は日本のルールを一から教える必要がありましたが、現在は業務に関する基本的なポイントを教えることで、スムーズに定着するようになりました。ただし、細かいルールやカリキュラムに関しての教育は今後の課題として残っています。
入社間もない外国人スタッフには、名札に新人である旨のマークをつけるなど配慮しつつ、お客様へのサービスの質は落とさないよう意識しております。
外国人スタッフを受け入れて変化はありましたか?
大瀧さん
はい。まず、今働いている外国人スタッフは複数の言語が話せることが強みです。
外国人観光客のお客様がコロナ禍以前は1割程度であったのに対して、現在は3割程度にまで増えている状況です。以前は外国人観光客とコミュニケーションを取る際、ガイドを介することが多かったのですが、現在は外国人観光客が直接スタッフとやり取りをすることが増え、より円滑な接客ができるようになりました。
新井さん
外国人観光客の受け入れ体制が強化され、業界の多様性にも大きな貢献をしています。今後はさらに多様なニーズに対応できる体制が整っていくと考えています。

最後に、外国人材を受入れる際に最も気をつけるべき点や今後の方針についてお聞かせください。
大瀧さん
外国人材の日本語レベルにもよりますが、外国人スタッフをいきなりメイン業務に入れるのではなく、最初は補助的な業務等から始めることが大切かと思います。そうすることで少しずつ業務に慣れることができると考えています。短期的な労働力補充という目的でなく、長期的な視点で育成していくことが重要です。外国人スタッフへの教育や信頼関係の構築が、より大きな戦力に繋がると思います。
新井さん
今後も国内の外国人材雇用は加速していくことが予想されている中、当社も多様な顧客ニーズに対応していくためにも取り組んでいく方針です。そして一緒に働くメンバーとして受け入れるための体制も作っていく予定です。
貴重なお話をありがとうございました!
続いてサパナさんにインタビューをさせていただきます。日本にきてからは何年くらい経ちましたか?
サパナさん
日本に来てから7年くらい経ちました。
どのような経緯で日本にきましたか?
サパナさん
ネパールで学校を卒業し、その後、日本の学校に留学で来ました。そしてそのまま日本で就職しました。
日本に最初来たときはどんな印象でしたか?
サパナさん
最初は緊張していて、日本語や文化、ルールについて全く知らなかったので、困ったこともありました。 ネパールでも日本の情報は少しありましたが、実際に来てみると文化が違って、最初は驚きました。
長野県についてはどう思いますか?住んでみてどう感じていますか?
サパナさん
長野県は自然が豊かで、母国のネパールに似ている部分があると思います。山や湖が近くて、自然を感じられます。ただ、ネパールよりも寒いです(笑)

日本語の勉強はどうしていましたか?
サパナさん
日本語は、留学しているときに接客業の日本語学校で学びました。働き始めるまでは漢字が苦手だったのですが、実際に働き始めてからは少しずつ覚えてきました。
仕事をしていて楽しいことや、苦労していることはありますか?
サパナさん
接客業なので、お客様と話すのが楽しいです。感謝されたときには嬉しいですし、お客様からのクレームなどがあったときは、少し凹みます。
それでも、旅館という職場で日本の文化を毎日感じながら働くことを楽しめています。
仕事が休みの日はどんなことをしていますか?
サパナさん
買い物をしたり掃除をしたりしています。
インターネットをみたりして時間を過ごすことも多いです。
食事はどうしていますか?日本食も食べますか?
サパナさん
日本食も食べますが、家でネパールのカレーを作ることが多いです。
ネパールのカレーは日本のカレーよりも辛みが強いです(笑)
最後に、日本での将来の目標はありますか?
サパナさん
日本でさらに成長し、スキルを高めていきたいです。自分のレベルが上がるように努力し続けたいと思っています。そして日本にできるだけ長くいたいと思っています。
以上でインタビュー終了となります。貴重なお話をありがとうございました。